川せがき灯籠流し
毎年この季節、街に読経が響く。人々は高橋に並んでご焼香の順番を待っている。この光景を見ると、まだ戦後は終わっていないなと感じます。
「川せがき」とは
餓鬼(がき)とは、俗にいう生前の悪行によって亡者の世界に落とされた魂や無縁仏となっているような霊や魂の事を言い、常に飢えと乾きに苦しんでいるものを指します。 施餓鬼(せがき)とは、そういう者たちにも食べ物や飲み物などの供物を施すことで餓鬼の供養を行う法要行事です。
これを川でやるから「川せがき」ということのようです。
小名木川
関東大震災や東京大空襲でたくさんの方がこの川で亡くなった。特に空襲はひどく、終戦後川底を捜索するのが大変だったと聞きます。
小名木川は江戸に物資を運ぶ重要な運河であると同時に、たくさんの命を飲み込んだ川でもあるんです。
合掌
おばあちゃんが、座って手を合わせていました。声をかけてみると、去年ご主人をすい臓がんで亡くされたそうだ。ご主人の事を話している表情がとても印象的でした。
読経は震災や空襲で亡くなった方だけでなく、身近な方を見送った人の心にも届いているんですね。