永井荷風をご存知でしょうか?
教科書で習った?
なにから堅苦しい文学作品なんじゃないの?
いやそんなことないのですよ。
ちょっと「やんちゃ」で、ちょっと「やらしくて」、でも「おしゃれ」。

森鴎外(*)の弟子を自任し、谷崎潤一郎を見出し、慶応大学教授として多くの人材を育成しつつも、遊女やストリップ嬢をこよなく愛し、二度の離婚を経て、独身で死をむかえた永井荷風は、その生き様こそが「作家」であったのかもしれない。

esu-kei_textより引用
深川に住んでいる方なら、是非、読んで欲しい作家の一人です。

「深川の散歩」

荷風が友だちの経営している病院へ行ったその帰り道、清洲橋をわたって深川を散策するお話です。
清洲橋、萬年橋、小名木川、柾木稲荷、芭蕉庵、六間堀。地元の地名が次々に出てきます。短いお話で、10分もあれば読み終わります。是非ご一読ください。

青空文庫 深川の散歩

また荷風の歩いた経路を、とても詳しく検証された方もいます。これを参考にお散歩すると、とても楽しそうです。
実際に検証された方のBlog

常盤亭

「深川の散歩」の中で一番気になったのが「常盤亭」です。
荷風の別な作品、「雪の日」にも常盤亭の事が書かれています。

師匠の取席になったのは、深川高橋の近くにあった、常磐町の常磐亭であった。

時々、地元の先輩方から高橋に寄席あったと話を聴くのですが、詳細がはっきりしませんでした。常盤にあったんですね。(わたしは常盤に住んでいるので、とてもびっくりしました)

調べてみると、三遊亭圓生著『寄席切絵図』には地図まで掲載されていました。

@foujika のtwitterより引用

たぶん、場所的は田口屋さんの斜め前あたりでしょうか?

この地図からは、森下駅近くにも「三ッ木亭」という寄席があったのが分かります。

常盤亭 復活?

常盤で寄席やってみたいですね。企画をお手伝い頂ける方がいたら是非一緒にやりませんか

※画像は『明治時代の寄席』伊藤晴雨江戸東京博物館蔵 パブリックドメイン