獣害被害

日本は国土の多くが「山」と呼ばれる地域である。かつての日本は「山」と深く関わり生活をしていた。しかし、山との共存は「獣害」によって崩壊しようとしている。

一般的に獣害は農産物を食い荒らす猪を思い出す方も多いのではないだろうか。山での被害は主に鹿によるものだ。

主要な野生鳥獣による森林被害面積

エゾシカによる剥皮(はくひ)被害

上の写真は、エゾジカが木の皮を食べている様子。木の皮だけで何が問題なの?と思う方もいるかもしれない。皮は木を守っている。このはだかになった部分から腐朽(フキュウ)菌が入りこみ次第に腐朽が進んでいくのだ。そして台風などの強風により木が倒れてしまうそうだ。

また、下層植生の消失も起きている。これも進むと山が裸になってしまうのである。

スギ人工林におけるシカの剥皮被害

風衝地におけるシカの食害による裸地化

人が作りだした獣害

このような状況を作り出したのは人間によるのもだと狩人の新田さんは訴えていた。江戸時代から鹿は肉食ようだけにとどまらず、皮、角、骨が様々な形で活用されていました。東南アジアから輸入もされていたのです。

革羽織・火消し半天

明治期になり、都市化の進み沢山の木が伐採されるようになります。それにより鹿の住む地域がどんどん減少。

また戦争による食糧難で多くの鹿を狩って食用にした結果、頭数が激減してしまいます。昭和25年から保護の目的で狩猟を制限することになるのですが保護が行き過ぎて、このような状況になったのです。なんとも皮肉な結果です。
この崩れた生態系のバランスをとるため、国も補助金などをつけて年間58万匹とっています。しかし狩った鹿を利用する環境や意識が整っていない。だから9割は廃棄されていると新田さんは教えてくれた。

深川で「鹿」を食べる

この話を聞いて、いいね森下では獣害の問題を理解してもらうには食べてもらう事が一番だと考えました。

新田さんが用意してくれた、鹿肉。脂肪が少なく、とても柔らかい。

塩と胡椒だけで食べたが臭みもなく、とても美味しい。

最初の一歩は、食に詳しい飲食店を経営している方々に声をかけて、鹿肉を食べるイベントを開催することにしました。その日の状況は参加者の方がfacebookに写真などが掲載されているので、こちらをご覧ください。

facebook トミーノ 石田さん

facebook aloholoco 鹿野さん

これがどのような化学反応を起こし、次に繋げるのか。深川だけで解決するとは思えないけど、何もしないよりはいいはず。近い将来、準備が整えば、みんなにも食べて貰えるイベントにしたいなと考えている。